「お薬出しておきますね」が招く“薬漬け”の落とし穴?向精神薬や血圧降下剤の「多剤処方」から自分と家族を守るために

病院で診察を受けた後、「お薬出しておきますね」という医師の言葉に、私たちは何の疑問も抱かず「ありがとうございます」と答えることがほとんどではないでしょうか。しかし、この日常的なやりとりの裏に、実は見過ごせない深刻な問題が潜んでいるかもしれません。
特に、複数の薬を同時に服用する「多剤処方」が、知らず知らずのうちに私たちを“薬漬け”という状態に導いてしまうケースが増えているといいます。今回は、そんな現代医療の課題に警鐘を鳴らす話題の一冊に注目し、自分や大切な家族の身を守るためのヒントを探っていきましょう。
「多剤処方」が招く“薬漬け”の実態とは?
「お薬出しておきますね」――この言葉の背景には、私たちの健康を願う医師の思いがあります。ですが、症状を一つひとつ薬で抑えようとするあまり、気づけば何種類もの薬を毎日服用している、ということはありませんか?
特に問題視されているのが、向精神薬や血圧降下剤など、長期的な服用が続くことが多い薬の多剤処方です。複数の薬を併用することで、以下のようなリスクが高まることが指摘されています。
- 副作用の増大や複雑化:個々の薬では問題なくても、組み合わせることで予期せぬ強い副作用が出ることがあります。めまい、ふらつき、倦怠感などは、薬の飲みすぎが原因であることも少なくありません。
- 薬の相互作用:薬同士が影響し合い、効果が強くなりすぎたり、逆に弱まったりすることがあります。
- 体への負担:特に高齢者の場合、肝臓や腎臓の機能が低下しているため、多くの薬を代謝する負担は相当なものです。
こうした状況が、まさに“薬漬け”と呼ばれる状態です。薬を飲んでいるのに体調が優れない、むしろ悪くなっているように感じる、といった経験がある方は、もしかしたら多剤処方が影響しているのかもしれません。
「多剤処方」に“待った”をかける一冊から学ぶこと
この「薬漬け」の問題に対し、AERA DIGITALで大きく取り上げられたのが、「多剤処方に“待った”をかける一冊」です。この一冊は、安易な多剤処方の危険性を具体的な事例を交えて解説し、患者自身が医療とどう向き合うべきかを教えてくれます。
私たちは「専門家である医師の言うことだから」と、薬の処方に対して疑問を持つことなく受け入れがちです。しかし、自分自身の身体のこと、家族の健康のこととなると、やはり積極的に関わっていく姿勢が大切になります。
自分と家族の身を守るための具体的なアプローチ
では、私たちはどのようにして「薬漬け」から自分と家族の身を守ればよいのでしょうか。話題の一冊が示唆するポイントも踏まえ、いくつかご紹介します。
- 現在の処方薬を把握する:まずは、今自分がどんな薬を、何のために飲んでいるのかを正確に把握しましょう。お薬手帳を活用し、定期的に見直す習慣をつけましょう。
- 医師とのコミュニケーション:「この薬は本当に必要ですか?」「減らすことはできませんか?」と、医師に積極的に質問してみましょう。ご自身の状態や感じている副作用などを具体的に伝えることも大切です。
- セカンドオピニオンの検討:もし現在の治療法や処方薬に疑問を感じる場合は、別の医師の意見を聞く「セカンドオピニオン」も有効な選択肢です。
- 生活習慣の見直し:薬に頼るだけでなく、食事や運動、睡眠といった生活習慣の改善で症状が緩和されることも少なくありません。薬の量を減らすための第一歩として、生活習慣の見直しに取り組んでみましょう。
薬は私たちの健康を支える大切なツールですが、使い方を間違えれば、かえって身体に負担をかけてしまうこともあります。特に、向精神薬や血圧降下剤などの長期処方においては、その必要性や量について、一度立ち止まって考える勇気が必要かもしれません。
まとめ:主体的に医療と向き合い、健康を守ろう
「お薬出しておきますね」という言葉の裏に潜む「薬漬け」のリスクは、決して他人事ではありません。向精神薬や血圧降下剤を含む「多剤処方」が、知らないうちに私たちの心身に大きな負担をかけている可能性もあるのです。
AERA DIGITALで注目されたように、この問題に“待った”をかける動きは広がりつつあります。私たち一人ひとりが、薬に対する意識を変え、主体的に医療と向き合うことが、自分自身や大切な家族の健康を守る第一歩となるでしょう。
ぜひ、ご自身の服用している薬について見直し、疑問があれば医師に相談してみてください。そして、より健やかな毎日を送るための選択を、一緒に考えていきましょう。
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