え、まさか!?風邪・インフルに抗菌薬はもう処方されない?保険請求が「認めない」方針に【知っておくべきこと】

季節の変わり目や寒い時期になると、風邪やインフルエンザにかかってしまうことは誰にでもありますよね。熱が出て、体がだるくて、咳や鼻水が止まらない…そんな時、早く治したい一心で病院に行き、お医者さんから抗菌薬(抗生物質)をもらって安心した経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、最近、私たち患者さんにとっても、そして医療機関にとっても、非常に重要な情報が話題になっています。それは、風邪やインフルエンザの症状で抗菌薬が処方されても、原則として保険請求が「認めない」方針が打ち出されたというもの。ちょっと心配になる方もいらっしゃるかもしれませんね。
風邪やインフルエンザに抗菌薬は「原則NG」ってどういうこと?
まず、大切なことをお伝えします。風邪やインフルエンザは、ウイルスが原因で起こる病気です。一方、抗菌薬(抗生物質)は、細菌をやっつけるお薬なのです。
つまり、ウイルス感染症である風邪やインフルエンザに、細菌に効く抗菌薬を使っても、残念ながら症状を改善する効果は期待できません。むしろ、不必要に抗菌薬を使うことで、体の中の良い菌までやっつけてしまったり、さらに深刻な問題として、薬が効かない「耐性菌」が生まれてしまうリスクもあるのです。
今回、「風邪やインフルで抗菌薬処方は原則NG」という方針が強く打ち出されたのは、こうした抗菌薬の正しい使用を徹底し、私たち自身の健康、そして将来の医療を守るための重要な一歩と言えるでしょう。
「保険請求『認めない』方針」が意味すること
では、具体的に「保険請求『認めない』方針」とは、どういうことなのでしょうか。
これは、医療機関が風邪やインフルエンザと診断された患者さんに対し、必要がないにもかかわらず抗菌薬を処方した場合、その処方に対する診療報酬(医療費)を健康保険に請求しても「認められない」ということを意味します。つまり、医療機関側としては、不適切な処方と判断された場合、その費用を保険でまかなうことができなくなるわけです。
私たち患者さんが直接的に「保険適用外です」と高額な費用を請求されるわけではありませんが、医療機関側にとっては、より厳密な抗菌薬の使用が求められることになります。これにより、安易な抗菌薬の処方が減り、本当に必要な時にだけ適切な抗菌薬が使われるようになることを目指しているのです。
私たちの健康を守るために、今できること
この方針は、決して「抗菌薬は悪だ」とか「もう抗菌薬はもらえない」というわけではありません。細菌による肺炎や中耳炎など、細菌感染が疑われる病気には、これまで通り抗菌薬が必要不可欠です。大切なのは、「どんな時に、どんな薬が必要なのか」を正しく理解し、適切に使うことです。
もし風邪やインフルエンザの症状で医療機関を受診する際は、以下の点をぜひ意識してみてください。
- お医者さんの説明をよく聞き、なぜ抗菌薬が必要なのか(あるいは不要なのか)を理解しましょう。
- 不安なことや疑問に思うことがあれば、遠慮なく医師や薬剤師に質問しましょう。
- 自己判断で抗菌薬の使用を中断したり、他人に譲ったりすることは絶対にやめましょう。
今回の「保険請求『認めない』方針」は、私たち一人ひとりが医療について考え、抗菌薬を正しく使うための大切なきっかけとなるはずです。心配な時は、遠慮なく専門家に相談し、ご自身の健康を守ってくださいね。
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